第2章 探していたもの

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「ねえ、提案があるんだけど、聞いてくれる?」  青山さんが笑顔で言った。 「なあに?」  中村さんがすぐに反応した。 「今から下の名前で呼び合わない? さん付けしないでさ。それと、敬語も禁止ね」  恥かしそうに言った青山さんの声はとても明るい。 「そうね! そうしよう!」  大きな声で返事をした中村さんの声もとても明るい。    この日から、美咲と友紀と咲樹と呼び合うようになった。  三人で一緒に出かけるようになった。  敬語を使わないで話せるようになった。  美咲と友紀は、生まれて初めてできた友達と言える友達。  嬉しいなんてものじゃない。
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