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青い空に、淡い月影が見えている。
いまから僕はナツミを、月へと案内する。
道は真っ直ぐに伸びている。
僕らのクルマは、ロケットに置き換わり、速度を増して、地上から遊離する。
季節はいま、夏に向かってはいない。冬でもない。秋でも、春でもない。
なんでもない季節が訪れた。
とても気分のいい空気感を、僕は味わう。
だってナツミがいるから、そうなるのさ。
太陽の光が、あたりを白く照らし出す。
月への道を見失いそうな気持ちになる。
迷ったらそれはその時のお楽しみだ、とナツミに言ってみる。
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