MUGENの月

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 見て、とナツミが言う。  ロケットの真下の、僕らの街が、宝石箱をひっくり返したように、溢れんばかりの、輝く手拍子を送ってくれている。  その宝石が、小惑星のきらめきのように小さくなってゆく。  僕たちは、どんどん空高くのぼっていった。  本物の海が、やがて視界の隅から入ってくると、あっという間に、僕らの足元はマリン・ブルーの鮮やかさが、遠くまで広がった。
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