第4章

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すると… 『いらっしゃいませ、どのような物を お探しですか?』 話しかけて接客を始めたのは 入社一年目の、もう時期二年目になる クレーマーが最も目を付ける年齢の店員 加賀美ちゃん… 恐らく、ここ何年かは姿を 現さなかった菅野翠。 加賀美ちゃんは、知らないのかもしれない 彼女の恐ろしさを… 『遅かったか…』 あたしは独り言を呟いて、静かに見守る… 『普段楽に着れる長袖Tシャツを 探してるの』 『さようでございますか、では、 こちらの長袖はいかがでしょうか。』 すると加賀美ちゃん、試着室の鏡の前で 彼女の顔と、服を合わせて見ている 『こちらのお色だと、 顔の色も明るく見えて華やかさがあり お客様にお似合いかと。』 菅野翠は角度を変えながら 鏡を見ている… 『そうね、この服にするわ。 ワンサイズ下のはある? 試着してそのまま帰りたいの』
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