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すると…
『いらっしゃいませ、どのような物を
お探しですか?』
話しかけて接客を始めたのは
入社一年目の、もう時期二年目になる
クレーマーが最も目を付ける年齢の店員
加賀美ちゃん…
恐らく、ここ何年かは姿を
現さなかった菅野翠。
加賀美ちゃんは、知らないのかもしれない
彼女の恐ろしさを…
『遅かったか…』
あたしは独り言を呟いて、静かに見守る…
『普段楽に着れる長袖Tシャツを
探してるの』
『さようでございますか、では、
こちらの長袖はいかがでしょうか。』
すると加賀美ちゃん、試着室の鏡の前で
彼女の顔と、服を合わせて見ている
『こちらのお色だと、
顔の色も明るく見えて華やかさがあり
お客様にお似合いかと。』
菅野翠は角度を変えながら
鏡を見ている…
『そうね、この服にするわ。
ワンサイズ下のはある?
試着してそのまま帰りたいの』
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