第5章

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『あの時、席が隣になってさ、 “1分間の自己紹介で隣の人の長所を 5つ述べなさい”っていう課題で みのり、俺の事なんて言ってたか 覚えてねーよな?俺が隣にいた事すら 覚えてなかったもんな』 何かを懐かしむように 柔らかな表情で話を続ける優斗。 『1つ目、思いやりがあるところ。 2つ目、要領がいい。 3つ目、笑顔が素敵なところ。 4つ目、姿勢がいいところ。 多分、ここまではありきたりな答えだろ? 最後、5つ目、』 思い出した… 『『お客様を大切に想う 気持ちをもっているところ』』 どうしてだろう… 彼を見つめながら話を聞いていたら この言葉だけ、不思議と思い出した… 『あ、覚えてた? たった1分間の俺の自己紹介で他人に そんな所までみてもらえたことが すげー嬉しかった。 だから俺は、入社まだ3年目だったけど、 この仕事をしてきて 間違いではなかったんだと、そう思えた。 そして、それからの仕事に繋げることが できた。俺は自信を持つことができた みのりのお陰で。』
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