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『 でもさ、新川さんとは“不倫”。
不倫には、いつか終わりは来る。
みのりも言っていたように、
今の関係じゃ辛いだけ。苦しいんだろ?
“不倫に未来はない”
そして、ずっと罪悪感を背負っていく
ことになるんだ。
だから…
みのりが、新川さんとの関係を
“辞める”と、そう決めたなら
これからは俺が、みのりを支えるよ。
別に直ぐに俺を好きになれとは言わない。
まだ好きなんだろ?新川さんのこと。
気持ちが落着くまで俺を利用したって
いいんだ。
“みのりは必ず俺を好きになる”
自信なんて、これっぽっちも無いけど
俺は、そうなる事を信じてる。
だから、みのりが俺を好きになる時が
きたら…
その時は、俺と結婚しよう。
俺は、どんなみのりでも受け止めるよ。』
真っ直ぐにあたしを見つめる彼の瞳は
“冗談”を言っているようにはみえない。
いつの間にかテーブルの上にあった手は
彼の両手で握られていて…
新川さんとの関係に何かを言われたって
苛立つどころか、それは正に、
あたしが心の奥でずっとずっと
閉じ込めていた、
そして気付かないフリをしていた
その、気持ち…。
それをいとも簡単に開けてしまった優斗に
不思議と嫌に思う気持ちもなくて。
むしろ、あたしの気持ち、
そして…
この現状を言葉にしてくれた彼に。
それをわかってもあたしを責めないで
いてくれる彼に…
感謝と、そしてなんだか…
彼に対して、あたしの中で新たに
不思議な気持ちが芽生えた
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