第5章

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門崎チーフに連れて来られたのは 会社から歩いて5分ほどの 10階建てのビルの6階にある 普通の居酒屋。 畳の個室に案内されて テーブルを挟んで向かい合わせに座る 『俺はビールにするけど 結月チーフは何頼む?』 頬杖をつきながらあたしに視線を向けて そう聞いてくる門崎チーフ 『じゃあ同じくビールで。』 『了解、適当に食べ物も頼むから 食べたいものあったら遠慮無く言って?』 『あ、はい。』 あたしはそう言って、おしぼりで手を 拭きながら、微笑んだ 正直、門崎チーフからご飯の誘いは 初めてだった。 堂々としているつもりでも 何を言われるかとビクビクしている内心。 そして、さっき会社を出てくる時の 新川バイヤーの目つき… あんな嫉妬丸出しにされても あたし達の関係は関係。 少し大人気無いと思う。
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