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『てかさ、チーフ付けるの止めねえ?
会社でもないしさ、ご飯食べに来てまで
チーフ付け合うのおかしくない?
“みのり”って呼んでいい?』
『それもそうだね、“みのり”で
全然おっけーです。
じゃああたしは…、門崎さん…で。』
年上だし…
名前で呼ぶのは馴れ馴れしい気がする…
と思っていると、
『優斗…だろ?』
両手をテーブルに付いて体を支え、
身を乗り出して…
彼の顔はあたしの目の前に。
そして、もう一度、
『優斗って呼んでみ?』
な、なにこれ。
心臓が今にも飛び出しそうなくらい
ドキドキしてる…
それはもちろん、“名前で呼ぶ”から
って言うのもあるんだけど…
春都さんとは違う茶色い髪に
軽くウェーブ掛かった髪の毛先を
ワックスで無造作にかためて、
鼻筋が高くシャープな輪郭。
二重まぶたの真っ直ぐな瞳に見つめられて…
春都さんだったらこの距離に
我慢できなくて絶対キスしてくる
そんな距離に…
門崎チーフの顔がある。
そして、吸い込まれるような目力に
視線を逸らすことができない…
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