第7章

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俺は彼女からの反応を待つ。 わずか数分、いや、数十秒かもしれない 彼女からどんな言葉が 発せられるのかが怖くて。 涼輔は“大丈夫”だと言った。 だけど全く何の確信もないわけで… 涼輔に告白したわけでもないし 涼輔に大丈夫だと言われても 何も俺は大丈夫なんかじゃなかった 今思えば。 なんて、おかしなことを考えるくらい 俺は動揺していた。 そして、余裕なんて少しもなかった どれくらい時間が経っただろうか、 俺を見上げる彼女の目が しっかりと俺の目を捕らえると 『よろしくお願いします』 そう、言った。 俺は一度思考回路が停止したあと、 彼女が発した言葉の意味を理解し 一気に焦りと緊張が解けて 頬が緩んだ。 『良かった…。よろしくな、みのり。』 やっと呼べた、“みのり”という名前。 彼女は恥ずかしそうに頷くと ふわりと微笑んだ。 その姿にいても立ってもいられなくなった 俺は思わず、彼女の唇にそっと 自分の唇を重ねた。 “これからよろしくな” と “行ってきます” の気持ちを込めて。
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