第7章

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山川の発言に彼女を取られまいと 焦りと、怒りを感じながらも この場では何とか平然を装って 涼輔と一緒にこの場を抜け出す 『じゃ、お先。』 ―――――――――――― 二人でアパレルフロアに戻る途中 『アイツやべーな。なんか… 聞いてて寒気したわ。 あそこまでイカれてるとさすがに 引くよな。』 俺がそう言うと、何かを考えているような 面持ちで、眉間にシワを寄せていた涼輔。 すると涼輔が突然、 『告白すりゃーいいじゃん。 この際アメリカ行く前にお前と みのりちゃんが付き合ってしまえば 山川だって諦めるだろ、さすがに。』 そう言ってきた。 しかも、冗談ではなさそうだ。 至って真面目な顔してる涼輔。 『いや、だって俺、明日にはアメ…』 『いま!今すぐ告白すればいーだろ。 いつから好きだったんだよ。 ずっと好きだったんだろ? 気持ちも伝えないで山川に 取られたくないとか言ってんなら 早くお前の女にしちまえよ。 まさか振られんのビビってンの? そんなだっせー新川春都見たくねーから てか…大丈夫だよ、お前なら。 じゃ、俺行くわ』 そう熱く語ると涼輔は売り場へと 戻って行った。
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