第9章

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『あー、…はい。』 “はい” じゃねぇよ。―――気にするわ。 自分が何を仕出かして、今、 それを認めるような返事をして。 何をしているんだ、俺は。 あり得ない。 最低だ。 とりあえず… パンツを履くか。 俺が先にここから出なきゃ 彼女も出れないだろうし…。 俺は床に散らばっている服をかき集め、 着替えて部屋を出た。 それから少しして、おそらく部屋着で あろう服を身に纏って部屋から出てきた 彼女。 『コーヒーは飲まれますか?』 『いえ、結構です。昨日は、本当に すみませんでした。では失礼します。』 俺は深々と頭を下げて、彼女の アパートを後にした。 俺の中で確信がないために どんな話をすればいいのかもわからず もう、逃げ出したい、そんな一心で 彼女に頭を下げて出てきたが… とりあえず場所がわからない為に 適当にタクシーを捕まえて 自分のマンションへと帰ることにした
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