第9章

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それからシャワーを浴びて コーヒーを飲むと、ソファーに横になり ぼーっとしていたら気づけば夕方。 頭の中は昨日のことでいっぱいだ。 いくら思い出そうとしても 途中までの記憶しかなく、それっきり全く 思い出せない。 アルコールで記憶無くすって こーいうもんなの? だけど不思議と、二日酔い症状が 全くといっていいほど無いのだ。 それに… 夏織という女性は、昨日も思ったけど どことなく寂しそうな目をしていた。 今朝だって、恥ずかしそうにしていたけど どこか冷めていて、笑っているけど 目はロボットのように 心ここにあらずといった感じで。 それだけが何故か引っかかる。 何もかも、 全て消してしまいたい事なのに やたら頭の中にこびりついて 離れない、 みのりに対しての申し訳なさと 自分のした事の不甲斐なさで この、罪悪感としか 言いようのない心の霞はどんどん 濃くなっていくばかりで。 全ての責任は俺にあるのに。 最低だ、…俺は。
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