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結局、言えずじまい。
プロポーズの言葉さえ
聞いていたのかも_____不明。
隣で、気持ち良さそうに眠っている彼女。
どうしてこうも上手くいかないのかと
思うと、なんか笑えてきた。
もう、これは神様が俺に対して
“あの事は言うな”
“彼女とは結婚するな”
そう、言っているのかもしれない。
じゃあどうして俺たちをくっつけたんだよ
なんて、ある事ないのに…
ただ、タイミングが悪いだけなのに。
そんな言い訳ばっか考えてしまう
俺自身に、ほんと呆れる。
実際、俺、新川春都は周りが思うほど
かっこよくなんてないんだ。
本当はお人好しのヘタレで、
好きな女に本当の事も言えない
どうしようもない奴。
こんな俺が、みのりを幸せにしてやる
ことができるのだろうか…
一人で考えるときりがないくらい
ネガティヴになる。
『女々しい…っつの』
俺は、そう呟いて彼女の頬にキスをして
目を閉じ、眠りについた。
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