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『シャワーどうぞ。』
しばらくすると、シャワーを浴び終えた
みのりが、そう言って部屋に戻ってきた
俺はというと、昨日の話したことが
伝わってなかった悔しさと
早くしなきゃという焦りで
見事な自己嫌悪に陥っていた。
だから、みのりがせっかく
話しかけてくれたのに
『あぁ。』
なんて、素っ気ない返事。
『どうしたの?』
更に、彼女は近くに来て、
俺の事を心配して、そう聞いてくれた。
…あれ、機嫌悪いんじゃなかったっけ?
『なにが?』
なのに、そんなに早く気持ちを
切り替えれない、小さい俺。
____おとな気ないにも程がある
『ぼーっとしてるから聞いてみただけ』
そう言って彼女は濡れた髪の毛を
タオルで拭きはじめた
時々感じる―――― 彼女の視線。
…わかってる。ごめんな、こんな男で。
ガキ臭くて、素直になれなくて
嫉妬深くて______
自分自身が一番わかってる。
だけど、どうもみのりの前だと
自分がコントロール出来なくなる
言葉で伝えたいのに
上手く言葉にできない。
だけど、こうする事で自分と同じように
彼女も安心ができるのなら
何度でも、こうしてあげたい。
俺はベッドから立ち上がり
ぎゅっと彼女を抱きしめた____
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