第13章

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顔を洗い終えて、 今日はもう、何もしたくないから そのまま寝室に行く。 荷物を片すのも明日やればいい。 ベッドに横になれば 落ち着く、自分の寝床。 春都さんも一緒に寝た、このベッド。 彼の言葉を思い返せば、 確かにあたし、振り回されてたなぁ…って 好きだと言われて付き合って、 どんどん好きになっていった あの頃____ 仕事の関係で、会いたくても会えなくて それでも会えた時の喜びは 寂しさなんかを吹き飛ばすくらい 大きくて… 初めての時から抱くときは必ず “ 愛してる ” と言ってくれた。 だけどそれが、“不倫” だとわかった時。 それでもあたしを手放したくないと 言ってくれた彼。 断ることも出来なかったあたしは… 春都さんの家族をずっと苦しめてきた。 あたしの辛さなんか… 全然、足元にも及ばなかったのに。
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