第13章

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そしてメニュー表を眺めながら 『あたしは、季節の野菜天麩羅御膳 にしようかな。』 そう、言ったあたし。 すると優斗はすぐに店員さんを呼んで 注文してくれた。 そしてまた、少しの沈黙… 『あの…さ、何かあった?』 『…えっ?』 突然言われた事で、驚く自分。 いや、だって… あたしは普通に振る舞ってたつもりだし 悩みの種である春都さんと別れた事だって 一切、口にしていないのに… どうしてわかるの―――――? 『何か、みのり無理してるでしょ。 言ってみなよ、相談にのるから。 まぁ、俺に話せる内容だったら の話だけど。』 そう言ってからお冷をひと口飲む彼。 そしてまた、口を開いた。 『前も言ったように、俺は今も変わらず みのりが好きだ。 だからみのりのちょっとの変化にだって 気づいてしまう。例え、ついさっき 再会したばかりでも、俺は直ぐに いつものみのりじゃないと思ったんだ。 出張で、何かあった?新川さん?』 春都さんのこと… 今日、本当は言いたくなかった。 ___でもどうしてだろう。 この、感覚。 彼に、聞いてもらいたい。 前回不倫を打ち明けたように、また… 話したい、と思うのは… 優斗だから…? それとも もう、誰かに話してしまえば すっきりするだろうという、 あたしの固定観念から…かな。
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