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胸がドキドキして、彼の顔を
直視できない…。
そして、何て言っていいのかも…
――――――わからない。
あたしは… 優斗に対してずっと
恥ずかしさと、ついその時の感情のまま
口走ってしまった発言についての
申し訳なさがあって、あの日から
彼を避け続けてきたのは確かで…
仕事中の会話も必要最低限しか
しなかったし、
こうして二人きりで話すのは
本当に久しぶりの事。
『ちょっと、来て…』
あたしの腕を掴んだまま優斗は
そのまま建物を出て行く。
あたしは彼に引っ張られながらも
必死に彼のペースについていけるように
足を動かした。
そして、連れて来られたこの場所は
以前、海外出張に行く前に
彼とキスを交わした会社裏の公園。
大きな木の下まで来ると優斗は
掴んでいたあたしの腕を離した
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