第16章

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” 優斗の事を嫌いになった ” とか、 “ 優斗に幻滅した ” とか 不思議と、そういった感情はなくて。 だからといって “好き” という想いが あるわけでも、ないわけでもない。 だけど一度は好きになった相手だし 誰が悪いとかそういう事じゃない こういう結果になったということは 今更、誰が何て言おうと 変えられない現実だから。 もし、誰が悪いのかという問に 答えるとしたら… 春都さんの事も、優斗の事も全て 自分自身の弱さ…かな。 【人生楽ありゃ、苦もあるさ】 どこかで聞いた事のあるフレーズ 楽に、苦は付きもの。 全て何もかもが上手くいく訳なんてない。 成功した人間だって 苦の道があったから今がある。 努力して諦めずに前に進もうと思う その、志を持ち続けて来たからこそ 成功しているんだろうし。 これがあたしの恋愛と関係のある 話だとは思わないけどでも、 1つだけ言えるとすれば… ――――流されちゃダメなんだって事。 自分が苦しいからって 逃げちゃだめなんだ。 だけどもう、遅い。 結局あの日、優斗には何も言えなくて プロポーズの話は保留のまま 返した指輪さえもまだ、あたしの手元に。 関係だって、結局何も変わらない。 今も、あたしと優斗は付き合っている。
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