第16章

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『春都さん…』 『あ、起きたんだ。具合はどう?』 そう言って立ち上がり、あたしの方へと 歩いてくる。 『お陰様でだいぶ楽に…。 汗かいちゃったのでタオルで体を 拭こうかと思って。』 あたしがそう言うと、おでこに感じる ―――手の感触。 『うん。会社で触った時より熱くない。 体温計どこだっけ?そういえば まだ計ってなかったよな?今更だけど』 『うん』 あたしのおでこに手を当てながら そう言っている春都さん。 近い… 距離がものすごく近い。 これだけであたしの体温は また上昇しそう。 そしてあたしはお風呂場に向かう前に 着替えをとりに寝室へ戻ろうと 後ろを向けば 『あ、みのり。』 っ…! な、名前で呼ぶの反則だよもう。
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