第16章

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『うん…、ごめん。』 神妙な面持ちで、謝罪してくる春都さんに あたしは、もう限界。 『本当ありえない。春都さん、 あたしそこまで聞いてないよ? 仕方ないじゃん落としちゃったものは。 トイレに落としただけでそんなに 真剣に謝らないでよ。』 もう、バカバカしくなってくる。 だってあたしは… あんなに悩んで、苦しんだのに トイレに水没って… もう、笑うほか無いじゃない。 あたしはおかしくて、笑っているのに なぜだか涙が出てきて 本日二度目の、泣きに入る。  一回目は怒って泣いたんだっけ… 『みのり…、ごめんな。 辛い想いいっぱいさせて…。 俺は5年間、付き合い始めた時からずっと みのりだけを愛してきたのに。 変なプライドなんかに縛られて 結果みのりを苦しませる事しか 出来なかった…。』
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