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ただ、やっぱりお互い好き同士だからって
過去よりも今が大切でこのまま
すぐに前の関係に戻るという形は、
あたし達にとってはまた、同じ事の
繰り返しになると思うの…。
だから溜めてきたもの、全て吐き出して
新たにスタートしたい。
『みのり、俺はこの先、何があっても
絶対に手放さないから。
だからさ、一緒にニューヨークに
来てくれないか。
みのりが今の仕事を大切にしている事も
あのポジションにいるみのりが
どれだけ慕われているのかもわかる。
だけど…、一緒に仕入れして思ったんだ
みのりにはバイヤーの素質もあるって』
春都さんがそう言い終えると同時に
リビングのドアが開く。
『ただいま、みのり。』
『… え?』
リビングの入り口には優斗が立っていて。
今日は通しだと言っていたから
帰ってくるにはまだ、早い時間。
春都さんもあたしも、いきなりの
優斗の帰宅に驚いたまま
声を発する事も、動くことすら出来ない
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