第16章

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ただ、やっぱりお互い好き同士だからって 過去よりも今が大切でこのまま すぐに前の関係に戻るという形は、 あたし達にとってはまた、同じ事の 繰り返しになると思うの…。 だから溜めてきたもの、全て吐き出して 新たにスタートしたい。 『みのり、俺はこの先、何があっても 絶対に手放さないから。 だからさ、一緒にニューヨークに 来てくれないか。 みのりが今の仕事を大切にしている事も あのポジションにいるみのりが どれだけ慕われているのかもわかる。 だけど…、一緒に仕入れして思ったんだ みのりにはバイヤーの素質もあるって』 春都さんがそう言い終えると同時に リビングのドアが開く。 『ただいま、みのり。』 『… え?』 リビングの入り口には優斗が立っていて。 今日は通しだと言っていたから 帰ってくるにはまだ、早い時間。 春都さんもあたしも、いきなりの 優斗の帰宅に驚いたまま 声を発する事も、動くことすら出来ない
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