第16章

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まず、ニューヨークに行く事に驚く。 だけどそれ以上に、 今のこの状況_______。 “ 修羅場 ” としか言いようがない。 だけど、これが、この状況が チャンスなのかもしれない。 だって… あたし一人じゃ、何を言っても 優斗に上手く丸め込まれて終わりだから。 春都さんが居てくれるなら… と思い、 一度、深呼吸をしてこの重苦しい 沈黙を破る。 『優斗…、あのね、やっぱりあたし…』 と、そこまで言いかけた時 優斗がそれを遮る 『新川バイヤー、みのりの事、 看病してくれてたんですか? 本当にありがとうございました。 なかなか仕事抜け出せなくて…。 もう俺が帰って来たので大丈夫ですよ。』 そう言って、予想外にも笑顔で 春都さんに話しかける優斗。 それから、あたしの方へと近よって来ると あたしの頭を撫でながら 『みのり、大丈夫? みのりは今、一人の身体じゃないんだから 無理しちゃダメだろ?』 …………え?
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