第16章

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――――空気が、重い。 二人は、口論からの沈黙―――― ………………… ………… 確かに…、辛かった5年間。 だけど、春都さんの存在はあたしを 支えてくれていた。 もっともっと、思ったことを言い合ったり 甘える事ができたなら、 また違う “今” があったのかもしれない。 辛いのは、あたしだけじゃなかった。 春都さんだって… きっと、そうだったはず―――― なのにあたしは…優斗に甘えてしまった。 ずっとずっと、心の中では 春都さんが好きだったのに。 ………ごめんね優斗。 自分勝手なあたしで… 寂しさ紛らわす為に優斗を利用する 形になってしまったけど、 あたしの中で春都さんを越える人は ____もう、いないの。 だからあたしは… 睨み合う春都さんと優斗の沈黙を破り あたしは口を開いた。
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