第20章(最終章~)

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そして翌日_____ あたしが、30歳になる前々日。 “結月みのり” から “新川みのり” へと姓を変え、 春都さんと無事に夫婦になる事ができた。 そしてそのまた翌日、 夫となった春都さんはNYへと 飛び立った。 あたしの30歳の誕生日には 同期の美和子が当日祝ってくれて。 春都さんはNYに出発する前に レストランで祝ってくれた。 あんなに執着していた “三十路” 思ったよりも何もかわらず、 あっさりとなってしまった三十路。 だけど… 想像を超えるほど、すごく幸せな状態で スタートできた30代。 __________ _______ ____それから数ヵ月。 春都さんとは毎日連絡を とってはいるけれど、 何一つ、夫婦らしい事は出来るはずも なくて…… それはもちろん、籍はいれたけれど 直ぐに離れてしまったから。 NYに事務所を作ってしまった 我社のバイヤー達は、今までのように 日本と行き来することがなくなった。 だから前みたいに数週間の出張で 帰って来るという訳にはいかないわけで。 わかってはいたけれど、予想以上に 寂しくて… もう直ぐ一緒に暮らせると 思ってはいても、、、 なかなか気持ちは優れない。 結婚して数ヵ月…早くも春都さん不足。 春都さんに会いたくて仕方ない。 自分でも信じられないくらい 重症なんだ、これが。 そして特に変わった事はなく、 あたしも残り僅かのチーフ職に全うして いたある日…………
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