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あたしは、特に反応するわけでも
ないけれど、母は話を続ける。
『あなた達、祥吾さんの運転する
タクシーに乗ったらしいじゃない?』
『……え?』
春都さんとあたしが…乗ったタクシー?
一緒に乗ったタクシーといえば……
確かあの時‥‥‥ あたしが熱を出して
早退した時の‥‥‥‥‥‥って。
“幸せになりなよ、お姉ちゃん_____”
『あ。』
思い出した。
……あの人が、、、祥吾おじさん?
『なんだかね、ウチの家の前で
春都君と祥吾さんが鉢合わせした時にね
あなたの話をしていたのよ。
“みのり”なんて名前は、世の中に
いくらでもあるはずなのに‥
顔なんて、面影が無ければ覚えていないし
ましてや、もう二十何年と経っていて
あの時のみのりだなんて
気付くはずないのに。
祥吾さんもね、ビックリしてたわよ。
………………
‥‥‥‥‥‥‥
そしてね、彼なら絶対に
みのりちゃんを幸せにしてくれると
そう、言っていたわ。』
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