162人が本棚に入れています
本棚に追加
“____俺も、好き。”
あの時、タクシーの中で
大きな手をあたしの頭に置きながら
そう、呟いた春都さん。
……ふと、それを思い出せば
体中が熱く、火照り始める。
……だって、それを祥吾おじさんって人に
聞かれていたわけでしょ?
恥ずかしくてたまらない。
だけど、あたしが春都さんと
祥吾おじさんとの間に何があったかなんて
知るのはずっとずっと先の話。
『みのり、盛り付け終わったなら
運びましょう?
‥‥‥‥あら、どうしたの顔赤くなって。』
そう言って、あたしの顔を心配そうに
覗き込んでくる、母の姿。
いやー、まさかあの時の事を思い出して
赤面したなんて、言えるはずがない。
『あ、ちょっと暑くて……
……………
………………
あたしコレ、持っていくね!』
ちょっと無理があったかなーとは
思ったけれど、とりあえず
料理を運びながらお父さんや
春都さんが居る和室へと逃げた。
最初のコメントを投稿しよう!