第20章(最終章~)

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正面に顔を向ければ、 泣きながら黙って聞いている父と母。 そしてお母さんはエプロンで 涙を拭きながら 『‥‥‥みのり。 あなたは、お母さん達の大事な娘。 自慢の娘よ。 辛い思い、いっぱいさせてきたね。 お母さんも、みのりに感謝される日が 来るなんて思ってなかったわ。 だって、感謝される事なんて何一つ していないのに………。 お母さんの娘で居てくれて ありがとね。 結婚、おめでとう。 あと、少し早いけど‥‥‥』 そう言って、母は父の膝を叩く。 父はずっと俯いたままだった、 顔を上げてテーブルの下から 何かを取り出した。 『みのり、結婚おめでとう。 そして、誕生日おめでとう。』 そう言って、シワシワの目尻から 涙を流し、あたしに何かを手渡す。 『春都くん、ふつつか者の娘ですが 末永く、よろしくお願いします』 そう言って、父と母は頭を下げた。
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