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正面に顔を向ければ、
泣きながら黙って聞いている父と母。
そしてお母さんはエプロンで
涙を拭きながら
『‥‥‥みのり。
あなたは、お母さん達の大事な娘。
自慢の娘よ。
辛い思い、いっぱいさせてきたね。
お母さんも、みのりに感謝される日が
来るなんて思ってなかったわ。
だって、感謝される事なんて何一つ
していないのに………。
お母さんの娘で居てくれて
ありがとね。
結婚、おめでとう。
あと、少し早いけど‥‥‥』
そう言って、母は父の膝を叩く。
父はずっと俯いたままだった、
顔を上げてテーブルの下から
何かを取り出した。
『みのり、結婚おめでとう。
そして、誕生日おめでとう。』
そう言って、シワシワの目尻から
涙を流し、あたしに何かを手渡す。
『春都くん、ふつつか者の娘ですが
末永く、よろしくお願いします』
そう言って、父と母は頭を下げた。
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