第20章(最終章~)

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あれから料理をつつきながら、 両親とはいろんな話をした。 そして、優斗の話題にもなった。 『門崎さんね、実は昨日来たのよ家に。』 そう言って、クスクスと笑っている母。 何も可笑しくなんてないじゃない。 今となっては優斗のデタラメも全て わかって貰えたけれど、 それは春都さんが毎日家に通ってくれた からであって…… そして、母は言った。 『全ては僕の負け惜しみですって言って、 謝ってきたのよ。 何をされたかは、わからないけれど 彼、相当みのりの事が好きだったのね。 あ、春都君の前で言うのもアレだけど。』 そう言って両手を合せて ゴメンねをする母。 すると今度は春都さんが口を開き、 『そうなんですよね。 …でも、僕には勝てないですよ門崎は。 僕以上にみのりを愛せる人なんて いないと思います。 それほど彼女には、魅力的な部分が 沢山あるんです。』 自分がどれだけ こっ恥ずかしい事を言っているのかを わかっているのか何なのか…… しれーっとして話す春都さんに 両親は赤面しながら唖然としている。 それはあたし自身もそうで… 恥ずかし過ぎて顔も上げられない。 そして父は、コップのビールを飲み干すと 『頼もしいじゃないか。 お父さん、春都くんなら安心だよ。 祥吾くんも言っていたけどね、 きっと幸せにしてもらえるよ、みのり。』 ……声が震えてるよ、お父さん。
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