第20章(最終章~)

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『それ、あたしも思った。 お母さんが微笑んだ顔を見ると 不思議な感じがしたの。 …………… ……………………… ……ねぇ、優斗って会社辞めたのかな?』 うちに来た、あの日の翌日 6Cで会ったきり、彼を見なくなった。 それよか、門崎優斗の名前も、荷物も 全て、なくなっていた。 あたしに何の挨拶もなしに 居なくなってしまったのは、 あんなことがあったからなんだと そう、思っていた。 だから昨日実家に謝りに来たと 聞いた時には驚いた。 もう、全て忘れてしまいたい過去に されてしまったのかと思うと、 優斗に対しての気持ちが無いにしても 何も言わずに姿を消してしまった彼に 寂しく思ったのは確か。 別に、門崎優斗という人間を 許したわけじゃない。 結果的に今、春都さんと一緒になれて 両親にも認めてもらって… 今だから、そう思う事ができたのかも しれない。 でも…
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