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『それ、あたしも思った。
お母さんが微笑んだ顔を見ると
不思議な感じがしたの。
……………
………………………
……ねぇ、優斗って会社辞めたのかな?』
うちに来た、あの日の翌日
6Cで会ったきり、彼を見なくなった。
それよか、門崎優斗の名前も、荷物も
全て、なくなっていた。
あたしに何の挨拶もなしに
居なくなってしまったのは、
あんなことがあったからなんだと
そう、思っていた。
だから昨日実家に謝りに来たと
聞いた時には驚いた。
もう、全て忘れてしまいたい過去に
されてしまったのかと思うと、
優斗に対しての気持ちが無いにしても
何も言わずに姿を消してしまった彼に
寂しく思ったのは確か。
別に、門崎優斗という人間を
許したわけじゃない。
結果的に今、春都さんと一緒になれて
両親にも認めてもらって…
今だから、そう思う事ができたのかも
しれない。
でも…
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