第20章(最終章~)

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『あ、そこ真っすぐ行って左に曲った所』 『‥‥‥‥…はいよ…。』 ―――――――――――― ――――――――― 『着いた…。』 シートベルトを外しながら ため息混じりに呟く彼。 『ねぇ春都さん、大丈夫?』 『ん?…あぁ。』 『顔に書いてあるよ。緊張してるって』 あたしはそう言って、軽く 笑ってみせる。 『緊張するよ、そりゃ。』 そう言って、苦笑いをする彼。 今、あたし達は 都心からレンタカーを借りて 走ること1時間半。大自然の中にある あたしの実家に着いた所。 車を運転しながら春都さんは 緊張しているせいか、いつもの調子では ないけれど、あたしの指示通りに ここまで車を運転して来た。 車から手土産を持って降りた スーツ姿の春都さん。 通勤服もスーツだけど なんかいつもと感じが違う。 まさか、こんな日が来るなんて 思ってもいなかった。 公共の交通手段で来ることも出来たのに レンタカーを借りてわざわざ二人だけの 空間を作ってくれた、春都さん。 緊張の中だったけれど こういった時間を過ごせた事は ドライブデートのようで新鮮だった。 そして、あたし達は今日 二人の結婚を認めてもらいたく あたしの両親にあいさつをしに来たわけで ‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。   
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