第20章(最終章~)

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『あ、うん。ちゃんと出したよ。』 あたしは俯きがちにそう言った。 でも本当は……… “元々、バイヤー職には君が相応しいと 社長と話したことがあってね、 やっと決意してくれたって事は 新川クンと上手くいったんだね。 いやー、焦れったかったよ本当君たち。 まぁ恋愛に困難は付き物さ。 お幸せにね。” ……………といったことがあった訳で。 佐久間マネージャーには 全てお見通しだったって事。 春都さんも知ってる事だから あえては言わないけれど。 『ねぇみのり』 急になんだか落ち着いた様子で そう言ってきた春都さん。 『ん?』 あたしがそう言って春都さんを見上げると 『幸せになろうな。』 そう言ってあたしの大好きな 春都さんの優しい笑顔をくれる。 ………幸せだよ、もう既に。 春都さんと互いに想い合えて、 これから先ずっと一緒に居れると 思うと、あたしの人生これ以上に 幸せなことがないんじゃないかって くらい幸せで… 『うん。』 そしてあたしも、彼に優しく 微笑んで頷いた。
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