優一と殺人人形

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  東京都、K区・・・。 下町情緒を色濃く残すこの町も、 新しい分譲マンションや都市再開発など、 新興商業施設の出店で、 いつの間にやら素性の知れない隣人が、 やたらあちこちで増え始めるようになっている。 日本語が通じない外国人、 昼夜の生活が逆転している者、 部屋から一歩も外に出ない者、 ・・・そして、 世間の常識を破壊していく者などが・・・。  「おい、聞いたかよ!?  二年のクラスのヤツが見たらしいぜ?  先週金曜の夜中、マンションの入り口付近の街灯のてっぺんに・・・、  いたんだってよ!?」  「えー? なになにー?  なんのはなしー?」 休み時間に、 オカルトネタ好きの男子の間で、 これまた、そういった刺激ネタの好きな女子が集まる、 ・・・ありがちな光景だ。  「あのよ、ホラ・・・、  こないだ言ってたの覚えてるか?  でっけぇ刃物を持った人形が、  夜の街に徘徊してるって噂が流れてるの・・・。」  「あっ、ネットで流れてるって言ってた噂でしょぉ?  誰か見たのぉ?」  
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