猫が悩む。

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 声もかけられない。  近寄りがたい。  ことばは通じない。  触ってみるなんて、とてもおぞましいくらい。  もう、好きなだけ悩んでもらうほかはない。  時計の針を見上げたら、すでに三時間を越えて、猫は同じ状態にある。  そこまでじっとしているなら、写真におさめちゃうぞ、と思ったけれど、猫に失礼にあたると思えた。  心配してやっている自分を、いま発見した。  でも、そんなこと猫に頼まれたことじゃない。
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