第1章

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この話しの前提として、インドの最初の核実験の話をしたい。 この核実験は原爆開発としては失敗で、高濃度の核物資を広範囲に撒き散らしてしまった。 結果として、周辺数十キロ(直径10キロ以上)を人間が立ち入れない不毛の地にしてしまったと言われている。 あれから30年近く、半減期があるから、福島パターンならかなり狭くなったはずなのだが、この場合は中心から遠い場所から、マダラ模様の危険地帯が存在する事になって、統制された土地活用は不可能だと思う。(超高濃度の放射性物質は、最長10万年の致死放射線を出しているから) この失敗核実験を、当時のインド政府は『核爆破』だと表現した。 統制された核実験は核爆発で、統制されない核爆発は核爆破と表現する事にすると、我々が問題とするべきなのは核爆破だという事が判る。 福島の原発事故も核爆破であり、チェルノブイリやスリーマイルも同じ。 原発推進派は、最新型原発はこの核爆破の可能性は限りなく0に近いからというのが稼働の論拠になっている。 川内原発は、世界最大級のカルデラ火山の阿蘇が近くにあり、その火砕流の到達した痕跡が、原発の近くに存在する。 阿蘇がカルデラ噴火を起こした時、沢山の人命は失われるだろうし、地形も変化するかも知れない。 しかし、富士山の樹海のように、最悪でも人間が立ち入り可能地域としては残る。 が、火砕流が原発に到達して核爆破が起こったら、その核物資の拡散地域は地図から消える。 大地震の発生記録がある伊方原発も同じ理由で、原発推進派は、原発にだけ絶対0の安全を求めるのはアンフェアだと言うが、他の比較する事例では、10万年もの間、地図から消える事は無いのだから、比較の前提が違う。 日本という国は、常に強い偏西風の下にあり、台風が接近する事も多いし、幅は約3百キロだから、核爆破の時の風向きによっては、日本列島が分断されかね無い。 もう少し掘り下げて言うと、原子炉は絶対安全だと仮定しても、燃料棒プールはどうなのだろう? 原子炉は制御された核爆発を連続して発生させているから、滅茶苦茶頑丈に作られているだろう。 しかし、燃料プールは?そして配管とかの周辺機材は? 火砕流に耐えられるのか、マグニチュード9以上の地震や、それから派生する津波に耐えられるのか?
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