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すると!
「ごめん!悪かったよ!親父は悪くない!悪いのは俺の方だよ!!」
と、今度は弟の方が頭を深々と下げていた。
見ると…
弟の目からは、大粒の涙が溢れている。
「そうだよな!みんな毎日、一生懸命に頑張ってるんだよな!親父!俺の方こそ悪かったよ!本当にごめん!」
「おおっ!よく言ったぞ!」
俺は、弟を見直した。
「確かに仕事ってものには、それぞれに遅い早いは有るかもしれない。でもな!それぞれに懸命に頑張ってるんだ!やっと分かってくれたようだな!それでこそ俺の弟だ!」
「兄貴!!」
弟が涙を拭きながら顔を上げた。
「本当に悪かった!俺、これからも仕事頑張るから、よろしく頼むな!」
「いやいや!こちらこそ!相変わらず仕事は遅いが、よろしく頼むぜ!」
と、俺は自分で胸の中に何か熱い物が込み上げてくるのを感じながら、弟に笑顔で応えた。
「うむ!本当に、分かってくれたようだな!」
と、親父も俺に負けないくらいの笑顔で言った。
「確かに、仕事には遅い早いは有る。しかし、それぞれに『役割』と言うか『分担』ってものが有るんだ。それを分かってくれて俺も凄く嬉しいよ。それでこそ、我が家族だ!」
「あ、いけね!よぉし!じゃあ、仕事頑張るぞぉーっ!!!」
と、弟は持ち前の明るさと笑顔を取り戻し、仕事に戻って行った。
そう…。
俺達三人は、
固い絆で結ばれた
大切な家族なのだ。
仕事は、それぞれがそれぞれに自分ができる範囲で頑張って毎日こなしている。
言わば、俺達は
固い絆で結ばれた『チーム』でもある訳だ。
俺達、家族三人の固い絆は、これからどんな事が有ったしても、決して壊れる事は無いだろう。
そう…。
これからも、ずっとずっと…。
例え……それが………
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