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いつもと変わらない日々。私はいつもの様に仕事をしていた。だけど…
「すいませーん…近藤係長、見えますかぁー…?」
事情があって私は1つ上の階にある、とある部署へ向かったの。お客様から支店へのクレームの資料を、返しに行く為よ。そこでは漆黒の短髪に真っ黒な瞳の30代位の男性…マーケティング本部お客様相談室の近藤 龍(こんどう りゅう)係長が電話をしていたのだけど…
「だからさ、何で分からないの?互いに熱くなってたらダメじゃん。僕は落ち着いて話し合おうって言ってるよね?だからそれは別に僕だけの事じゃないんだよ、会社全体に関わる事なんだからさ!」
……何か、凄いバトルになってるわね。いつも穏やかな、近藤係長がかなりキレてるなんて…珍しいなぁ…;;
「あぁー分からないならもう良いよ、違う人に話すからさ。その方が手っ取り早いわ。はい、はいじゃあ失礼します」
ガチャンと受話器を乱暴に置く係長。いつもなら、相手に失礼の無い様に丁寧に置くのに…。彼が受話器を置いた直後に舌打ちしながら「鬱陶しい」と呟いたのを私は聞き逃がさなかった。あ、資料早く渡さないと…
「あの、これ返しに来たんですけど…;;」
「あ?あぁ、神野さん。悪いけどそこ置いといて」
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