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一応短い髪をタオルで拭いてみましたが、起きる気配は全くありません。 気持ちよさそうに眠るお兄さんは、あどけない顔つきをしていて、普段よりも若く見えます。 起きないのをいい事に、僕には決してついてくれない弾力のある筋肉などを触ったりしました。 しかし家を出なくてはいけない午後になっても彼はすっかり夢の中。 流石にひとり部屋には置いておけないので、講義は結局自主休講にしました。 テレビもめったにつけない僕は、シトシトと雨が降る静かな部屋でコーヒーを飲みながら本を読むことにしました。 僕の部屋には本がいっぱいあります。 ジャンルは問いません。活字中毒というヤツですね。 電子書籍にも手を出してみましたが、やっぱり本そのものの味を感じられないとどこか物足りない感じがしました。 今日の本は『人間は海の中で生きていけるか?』というタイトルで、人間の肺活量の限界を問うものかと思いきや人間の進化を考えるエッセイです。 パラ… スー…スー… 本を読む定位置はベッドによりかけている座椅子なので、耳の後ろからは微かな寝息が聞こえています。 いつも静かで少し寂しいこの部屋の中に人の気配が感じられるのも……そんなに悪くないものですね。
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