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お昼休み、いつものように田原が弁当を持って、前の席に横向きに座った。足の上で弁当を広げながらコソコソ聞いてくる。
「昨日、どうなった?」
「ん? ああ、野々本さん? 申請許可しといた」
「おお! 心の友よー。岡本さんと繋がる日も近い!」
「でも思ったんだけど、野々本さんとお前が既に繋がってるんだから、俺、関係あった?」
「ばかだなー。四人でなら遊びにいけるかもしれないだろ? 俺の夢は壮大なんだよ」
「あー、そういうこと」
「うんうん。ありがたやー」
田原が目をキラキラさせて俺を拝んでいると、教室のドアがガラガラ勢いよく開いた。大我だ。
「圭吾ー」
「んー」
玉子焼きを口に入れ大我に手を振る。大我はまるで自分のクラスみたいに我が物顔で近づいてくると、誰も座ってない椅子をガッと掴み、俺の隣へ座った。購買で買ってきたパンをポンポンと机に並べていく。
「焼きそばパンとー。コロッケパンとー。ホイップたっぷりフルーツパン。それから、メンチカツバーガー。圭吾食いたいのある?」
俺は玉子焼きを咀嚼しながら、ホイップたっぷりフルーツパンを指さした。
「じゃ、半分やるよ」
フルーツパンは食パンにホイップとみかんとパイナップルを乗せてはさみ、サンドイッチみたいに三角形にカットしてあるパンだ。大我は包んであるビニールをペリペリめくり、二つ並んでいるフルーツパンをひとつ取り、俺のお弁当のフタにおいた。
やった! デザートゲットなり~。
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