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「……ふーん」
「あんまり返事しないかもってちゃんと言っておいたから大丈夫だと思う。結構向こうもあっさりした返事だったし」
お弁当を食べ終わり、蓋の上のフルーツパンに手を伸ばした。
「いただきまーす」
「…………」
大我は無言でメンチカツバーガーをガシッと掴むと袋の中へ戻した。もうひとつのフルーツパンを隣の机で食べてるやつに差し出す。
「食う?」
「え? いいの?」
隣のやつがビックリしたあとに「ラッキー」って顔でそれをペロリと食べた。
なんだ? 明らかに怒ってるよね?
「きっと大丈夫だよ? 大我の忠告を忘れてるわけじゃないし」
大我はこっちを見ないで低い声で言った。
「別にいいさ。俺には関係ないことだし。もう行くわ」
サッサと立ち上がり教室から出ていってしまう大我。
もー。関係ないって言いながら、露骨なんだよな。態度が。でも、まぁ。実際忠告されたのに、事情があったとは言え事後報告になっちゃったわけだし。面白くはないだろうな。今日の帰りにでもちゃんと謝ろ。喧嘩とか嫌だし。
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