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控室の上座には小さな祭壇が設けられて、棺を置くスペースがある。 修平はその周りのスペースを階段状にプランターで覆い尽くすと、プランターと土の部分を商店街の手芸屋が持って来たサテンの真っ白な生地で覆い隠した。 「ほぉーーありがたいね! 天国の風景はこんな感じなのかね……」 篭花を店から持って来た、ひな乃の声が聞こえた。 雲の上で群生する曼珠沙華。 修平はそんな空間を造り出していたのである。 「修平さん。ありがとうございます」 言いながら川本が号泣した。
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