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「飾り付けの花は原価で請け負った」 修平がひな乃に言った。 「シュウ。全国大会はどうするんだい?」 「俺は花屋だぜ。大会なんかよりも、誰かの為に華を添えるのが俺の仕事だ!」 本来は利幅の高い仕事であるが、その利益を放棄した修平に対して両親は何も文句を言わなかった。二人とも白岩とは面識があるらしい。 篭花に関しては一本が一万五千円からだが、椎名からの注文は三万円の篭花が六十本に、五万円の篭花が二十本。見栄を張らずにはいられない稼業らしい注文だった。 修平が飾り付けを原価で引き受けながら、篭花の注文を椎名の言い値で引き受けたのは、仲間の花屋達の利益を考えての事だった。 ひな乃が満足そうに修平を見つめていた。
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