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あるいは、格別だった。
カポエイラの動画を再生しては画面の中の演者に彼を重ねて、彼のすらりとした痩身がうねる様を、躍動する長い手足を想像した。バレエコンクールの動画に彼を見つけたときは、冗談抜きでベッドから転げ落ちた。
あと、ダンスにも詳しくなった。イギリスで彼が披露していたのは、日本舞踊、クラシックバレエ、コンテンポラリー、ジャズダンス、最後のヒップホップダンスは俺にはまだ種類の判別はできない。
俺が見たステージの動画もネットにアップされていた。改めて見ると、身長は二歳年上の俺と同じくらいか、もしかしたら俺よりも高いかもしれないとわかる。
首があれだけ白いのだから、隠された胸や脚はもっと白いだろう。
あのキレイな顔から想像するに、きっとやや高めの鼻にかかった声で、いや、あの長身だから割としっかりとしたテナーボイスかもしれない。どちらもいい。声をきいてみたい。
どんなふうに喋るんだろう。おっとりした口調でのんびり喋るかな。それとも、険のある目つきをしていたから、案外、生意気かもしれない。ツンケンした物言いもたまんないな。
そんなことを想像してベッドに潜り込み、俺は静かに目を閉じるのだった。
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