鬼平暗殺五

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あれから4年。今頃、幻也はどうしていることだろう。 勿論、まだ生きていればのことだが・・・。 双伍は玄田元禄の養護院の布団の上で、思った。 しばらくして双伍は腰巻の中から、一枚の葉を取り出す。 それを口に含み、草笛を吹いた。 それは何かの子守唄のようだった。 双伍がまだ、物心もつかぬ頃に聴いた子守唄。 それを聴かせたのは、顔も知らぬ母なのか、それとも・・・。 ふいに玄田元禄の声が、草笛を吹き続ける双伍に 投げかけられた。 「双伍さん、草笛はおやめなさい。  傷に悪いですよ」 それでも、双伍はどこかもの悲しげな子守唄を 吹き続けていた―――。
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