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春休みを控えた1月も下旬。
暖房の効いたこの図書館内では、凍えるような寒さなど忘れてしまいそうだが、優真の左手に並んだガラスの向こうでは、ぐるぐる巻きのマフラーに肩を竦めた学生が足早に過ぎて行く。
興味のなさそうな顔でそれを眺めていた優真は、その中に覚えのある顔を見つけて、無愛想だった表情に色を乗せた。
180を越える体を丸めて、グレーのマフラーが背負ったリュックに合わせて揺れる。
優真の幼馴染みである、水谷 弘樹だ。
パーマのかかった栗色の髪が風にそよぎ、弘樹が寒そうに目を細める。優真は思わずと言ったようにふっと笑い、机の上の本へと視線を落とした。
オメガにとって絶対であるかのように記されていた、番という関係。
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