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その男子生徒は、柔めの天然パーマであるため、一見、寝癖のようなボサボサヘアーで不格好な髪型。瞳は生気を失い淀んでいて、目の下に黒ずんだクマができてはいるが、昨晩、テスト勉強の徹夜をしたからではない。中学生の頃からの付き合いだ。
男子生徒のペンは止まらずに、解答欄を埋めていくが、他の生徒たちとは様子が違っていた。さらっと問題文に目を通すだけで特に悩むこともなく考える間もなく、答えをただ書いているだけだった。
別にカンニングなどの不正行為をしている訳ではない。
彼の“特殊な能力”によって、もたらされた動作である。
男子生徒は全ての解答欄を埋めると、最後に『二年三組 藤井爽太』と自分の学年と名前を書いた。
爽太は一息を吐き、もう一度解答用紙を見直して、間違いや記入ミスがないかの確認を行う。
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