未熟すぎた心

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最初から、就職は地元でするつもりだった。 わざわざN大を選んだのは、ある教授の講義を受けたかっただけ。 それがあのときの自分のやりたいことで、将来役立つ自信もあった。 実際、その教授のゼミにも入って、 有意義な学生生活を送れたことには間違いない。 それだけは、救われた。 じゃなければ、 桃と別れた意味が全く無くなるから。 桃と別れて、北見とのことがあって、 心に決めたことがある。 きちんと学んで、卒業して、 必ず地元に帰って、桃と再会する。 そのとき、桃に大事な人が出来てれば、 それはそれで仕方ない。 俺だって、桃を思い出にして新たな出会いがあるかもしれないし。 だけど結果、 俺はまだ、桃を好きなまま。 自分でも驚くほどに、気持ちは変わっていない。
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