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引っ越し屋のトラックが出発して、
何もなくなった部屋の真ん中に座り込む。
４年過ごしたこの部屋とも、とうとう今日でお別れだ。
いい思い出なんて、別にない。
それなりに楽しいことはあったけど、
ただ必死に過ごしてきたように思う。
今日の、この日のために。
「こんにちはー。
颯斗くーん、いますかー？」
ん？誰だ？
立ち上がり、玄関まで行くと、
「あぁ、どした？」
少しドアを開けた北見が、顔を覗かせていた。
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