バレンタインに花束を

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「しかし珍しいね、着替えてんの。」 「あぁ、うん。」 「バレンタイン、だから?」 ソファーでまだ動けずにいる私のとなりに座って、意味深に笑ったかと思ったら、そう囁く。 あーあ。 告白して、びっくりさせたかったのに。 「すっげー、甘い匂いする。この部屋。」 「…食べ、る?」 もうしょうがない。 あとは、作ったものを美味しく食べてもらえれば。 「もちろん、いただきます。」 その言葉と同時、 なぜか私の唇は塞がれてしまった。
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