バレンタインに花束を

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「プロポーズが、家で。」 「そんなの、全然ごめんなんていらない。」 こんなに嬉しいんだから。 「前から決めてたんだ。バレンタインに言うって。 休みだったらいくらでも桃が喜びそうな場所、考えたんだけど。」 私も、同じこと考えてた。 「バレンタインだけは、どうしても譲れなくて。」 「…どうして。」 ほんとは聞かなくてもわかる。 颯斗もやっぱり、私と同じで… 「嫌なことしか、思い出せない日だから。 その前までの楽しかったことも忘れそうになるくらい。 俺だけじゃなくて、桃だって。 少なからず、いい日ではないだろ?」 私は、素直に頷いた。 「だから、それを上回るすっげー幸せな日にしたくて。」 「…うん。 ありがと、颯斗。」 ほんとに、すごくすごく幸せな日になったよ。
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