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「何もないけど、上がって。」
「……」
「ん?どうぞ?」
「初めてだね、私を上げてくれるの。
彼女さんと別れてから。」
あぁ。
物が何一つ無いと、自分の部屋だっていう意識も
なくなるらしい。
「そういや、そうだな。」
思い出す。
桃が来るって日に野郎どもと一緒に北見を部屋に上げてしまった。
なのに俺は、別れたあとになって、それが出来なくなっていた。
たぶん、その頃の罪悪感からなのか。
…馬鹿みてーだよな。
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